即効性(即時性)の落とし穴

医療=即効性(即時性)という印象はどこから?
今日は「医療=即効性(即時性)」という印象がいつからついたのかについて考えてみたいと思います。
即効性(即時性)の印象
そもそも、人が「即効性」を感じるのは 「施術直後に変化を感じ、かつその変化率が高いもの」 だと定義できます。しかし、これが「効果」と比例するわけではないと感じるのは私だけでしょうか。「医療=即効性(即時性)」という印象が広まったのは、 近代医療の発展とともに、外科手術や薬剤療法が普及した時代 からではないかと思います。
たとえば、
• 鎮痛剤:服用後すぐに痛みが軽減する
• 抗生物質:数日で感染症の症状が改善する
といった治療法が登場したことで、「医療=即時に何かが変わるもの」という認識が強まったのかもしれません。
「照射した直後から効果がある」とは、具体的にどんな現象を指すのでしょうか?
1. ターゲットの変化(収縮や凝固)
高周波や超音波を用いたタイトニング系治療では、 タンパク変性によって直後にわずかな収縮が起こる ことがあります。これは即時的な変化ですが、本来の目的は その後の修復プロセス で得られる効果
2. 色の変化
• シミ治療:直後に黒くなる(ダークニング)ことがある
• 血管治療:赤みが引くことがある(これは血管収縮によるくすみ改善としての即時的な効果とも言えるが、炎症や一時的な変化としての側面もある)
3. 浮腫(むくみ)による一時的なリフトアップ
高周波やHIFUでは、炎症反応による浮腫で 直後にリフトアップしたように見える ことがあります。ただし、これは本質的な効果ではなく 炎症による一時的な変化
即効性=本当の効果ではない
1)のターゲットの変化に関しては、それ自体を目的にする治療もありますが、多くの場合、その後の修復機能が本当の効果 につながります。
2)や3)に至っては、過程 であることが多く、「効果」と呼ぶには早すぎます。
たとえば、レーザーで肌を入れ替える治療(アブレイティブ系フラクショナルレーザーなど)では、施術直後はむしろ赤みが出たり、肌が荒れたように見えます。しかし、コラーゲン産生が進む数週間後のほうが、本当の「効果」 となります。
まとめ
つまり、 「即効性がある」と言われるものは、施術直後の変化=体験としての満足度が高いだけの可能性が高く、必ずしも持続的な効果を意味するわけではないのです。
むしろ、本当に肌を変える治療ほど、効果を実感するまでに時間がかかることが多い。だからこそ、 「左右差がすごいでしょ!」と直後の変化を大々的にアピールするクリニックがあることに驚いています。
当たり前のようですが、本当に大切なのは「照射直後の変化」ではなく「照射後経過した後の肌の変化」なのではないでしょうか。
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KOH